自主管理スーパーファンド（Self-Managed Super Fund、SMSF）は、個人が退職金を自ら管理できる貯蓄制度です。従来の年金基金が運用会社によって管理されるのとは異なり、SMSFは投資家により大きな投資の自由を提供します。
▲ SMSFの主なメリット
- 投資の自主決定権
SMSFでは、投資家自身が年金資金の投資先を選択できるため、年金運用会社への依存を避けられます。これにより、個々の財務状況、リスク許容度、投資目標に応じた最適な投資を選択でき、退職資金の管理を完全にコントロールできます。 - 税制優遇
SMSFを活用した投資では、大きな税制上のメリットがあります。投資家が 60 歳に達すると、すべての投資収益は完全に非課税となります。60 歳未満の場合でも、投資収益の税率は 10%～15%と、現金投資などの他の投資方法に比べて低くなっています。
▲ SMSFの設立と投資プロセス
- SMSFの設立
SMSFを設立するには、資格を持つ会計士のサポートが必要です。個人の状況によっては最短1日で設立できますが、オーストラリア税務局（ATO）による監査対象となった場合、1か月以上かかることもあります。監査対象に選ばれると、追加資料の提出や電話での確認が必要になることがあります。経験豊富な会計士を選ぶことで、監査のリスクを低減し、万が一の対応もスムーズに行えます。 - 銀行口座の開設
SMSF設立後、専用の銀行口座を開設する必要があります。迅速な対応が可能なコモンウェルス銀行（CBA）が推奨されます。口座が開設されたら、既存の年金運用会社から資金をSMSFの銀行口座に移行できます。さらに、年間で税引前 27,500 豪ドル、または税引後 110,000 豪ドルまで追加拠出が可能です。 - 投資先の選択
資金を移行した後、投資家はATOの規定に準拠した投資先を選択できます。対象となるのは、株式、投資信託、不動産、土地などです。ただし、ビットコインなどの暗号通貨への投資は認められておらず、またSMSF資金を商業活動に使用することも禁止されています。
2025 年にシドニーで免税土地投資を検討する場合、SMSFは魅力的な選択肢となります。適切な手続きを理解し、資格を持つ会計士のサポートを受けることで、合法的かつ確実に退職金の運用を拡大し、将来の財務的安定を確保することが可能です。
